考えがまとまってから話す?まとまっていないからこそ話してみたら?

先日、あるところで対話とかコミュニケーションについてディスカッションしていた時のことです。ある人が「なんとなく感じていることはあるのだけどうまく言語化できていなくて話せないことがよくあります」と言っていました。

だからそのことについて話せない、対話にならない、といったことだと思うのですが、それを聞いて思ったのは、そういう時こそ話してみるといいんじゃないかなー、ということでした。

僕が一緒に仕事をしていてとても楽しくやれる人に、「まだ言語化できていないけど何か違和感がある」と言ってくれる人がいます。その人の良さはそれだけじゃないんだけど、このことは一つの大事な要素です。

この人の違和感はとても本質的で、かつ他の人たちが気がつかない/言わないことについてであることがよくあります。そういうことだからこそ言語化が難しいのかもしれません。

で、ぽつぽつと話してもらいながら一緒に言語化していくと、「そう、それです!」とかだんだん見えて来て、「あー、そういうことね、それはむちゃくちゃ大事だ!」と一緒に興奮してきたりします。笑

逆に僕自身が言語化できていない段階から話すこともあります。聞き上手だったり、僕の話をよく理解してくれる人だったりに、上のような「生煮え」状態の話をできると、僕の場合はとてもクリエイティブになれます。話している(聞いてもらっている)うちに、自分の頭の中で考えがクリアになってきます。connecting the dotsという感じ。いい質問とかしてくれるとこれが加速します。

何が言いたいかというと、話は考えがまとまってからするものとは限らず、違和感とかもやもやとかの状態でこそ人と話してみると良いかも、ということです。やっている人は自然にやっていると思いますが、特に「話は考えがまとまってから」と思っている人には試してみて欲しいなと思います。

(文責:早稲田大学 グローバルエデュケーションセンター(GEC) リーダーシップ開発プログラム 副統括責任者 高橋俊之)