早稲田大学GCEリーダーシップ開発:シラバス2020年度詳細版

早稲田大学GECリーダーシップ開発 -シラバス2020年度詳細版

モメンタム・デザイン代表高橋俊之が副統括責任者を務める、早稲田大学グローバルエデュケーションセンター リーダーシップ開発プログラムについての紹介です 。

本ページは、早稲田大学グローバルエデュケーションセンターWEBシラバスに載っているリーダーシップ開発のカリキュラムをより詳細に説明したものです。

目次

0.グローバルエデュケーションセンターリーダーシップ開発科目体系

グローバルエデュケーションセンターリーダーシップ開発科目体系
「理論とスキル」と「問題解決プロジェクト」の関係

2020年度は「リーダーシップ開発:理論とスキル」が春クオーターおよび秋クオーターに開催。「リーダーシップ開発:問題解決プロジェクト」が夏クオーターおよび冬クオーターに開催されます。

グローバルエデュケーションセンターリーダーシップ開発科目体系2
LDP(Leadership Development Program)体系

1.リーダーシップ開発:理論とスキル WEBシラバス詳細版

早稲田大学グローバルエデュケーションセンター「リーダーシップ開発プログラム:理論とスキル」についてWEBシラバスより詳細に記載します。

リーダーシップ開発クラスの受講者
リーダーシップ開発クラスの受講者(写真は「問題解決プロジェクト」より)

1-1. リーダーシップ開発 Day1:イントロダクション

全員発揮のリーダーシップとは

なぜ、権限によらない「全員発揮のリーダーシップ」が注目されているか。

リーダーシップ行動最小三要素

リーダーシップ行動最小三要素
リーダーシップ行動最小三要素
  • 目標設定・共有:目標を打ち出し、チーム全体が同じ目標をもつように働きかける
  • 率先垂範:自ら行動を起こし、他者の規範となる
  • 相互支援:個人やチーム全体が動きやすい環境をつくる

リーダーシップ開発とは

リーダーシップの行動的側面は要素分解することで学習可能

1-2. リーダーシップ開発 Day2: 自己理解と他者理解

自分らしいリーダーシップの見つけ方

自己理解とは

  • 強み&弱み
  • 好き嫌い、価値観
  • こんな社会にしたい

自己理解の方法

  • 診断ツールを使う:エニアグラム、Strength Finder
  • 経験を振り返る:経験学習での振り返り、インパクト体験棚卸し
  • 他者の力を借りる:フィードバック、コーチング
リーダーシップ開発の進め方:グループワーク中心
リーダーシップ開発は、グループワーク中心で進みます

1-3. リーダーシップ開発 Day3: モチベーションと論理思考

モチベーション

エニアグラムで自分のモチベーションのタイプを知る。

エニアグラム
エニアグラム

論理思考のポイント

  • まず目的を押さえる(=本当にやりたいこと)
  • メカニズムを捉える(=仕組み)
  • 「要は」→「例えば」で話す

論理思考のメリット

  • スピードが上がる(理解、思考)
  • より正しい答えが出る(幅と深さから)
  • パワフルになる(納得性、独創性)

1-4. リーダーシップ開発 Day4:論理思考2

目的を押さえた考え方

ロジカルシンカーが考える順序とは

  • 目的を確認する。結果として何が起きて欲しいか
  • そのためには何が起きる必要があるか
  • それを実現するための施策は

一瞬で大事なことが伝わる文章の書き方

一瞬で大事なことが伝わる文書作成の基本

  • 1つの段落には1つのことだけ書く
  • 相手に必要な順に書く。通常はまず「要は」を先頭に(文章全体、段落とも)
  • 目的に必要なことだけにする
  • 「なぜなら」and/or「例えば」で裏付ける
  • 中学生でもわかる言葉を使う

メカニズム思考

仕組みをつかむ。

例:オフィス街でランチの流行っている店は何がいい?

  • うまい
  • 安い
  • 早い

リーダーシップ目標を考える

この半年のリーダーシップ目標を考える

  • 挑戦する「自分らしいリーダーシップ」は何か?
  • そのリーダーシップ「で」どんな成果を上げるか?
  • その力をつけるために「リーダーシップ開発:理論とスキル」でどんな行動をするか?

1-5.Day5:論理思考3 メカニズム・私のオススメ

人が動くメカニズム

人が動くメカニズム(人が何かを続けるメカニズム)

  • やれる
  • やりたい
  • やらざるを得ない

課題:「私のオススメ」による説得

マイナーだけれど私のオススメなことを友人に説得する。課題文を読んだクラスメートがオススメをやってみようと思える文章を書く。

説得で重要な3つのポイント

  • それ「ならでは」がある
  • 良い、具体的なイメージが伝わってくる(映像が目に浮かぶ)
  • 相手の動くメカニズム(ツボ)を押さえている(相手目線をわかっている)

1-6. リーダーシップ開発 Day6:論理思考4 相手を説得する

「私のオススメ」をリライト

相手を説得するポイントを意識して3人グループで相互フィードバック

  • 「ならでは」を見つけ出して勝負する(特に快感)
  • 相手がイメージ出来るようにする(それが「例えば」)
  • 相手の動くメカニズムを押さえる

「私のオススメ」課題例

  • 競馬場に行こう
  • 高校野球地方大会観戦はオススメ
  • 美術館に行こう

説得課題:クラスのみんなへ

クラスのみんなへ伝いたいことを文章にする。

「クラスのみんなへ」課題の狙い。説得力・説明力強化

  • 異議も出そう
  • 理解が難しいこともある
  • 納得しても行動しない

「クラスのみんなへ」今日の目標

  • わかりやすく
  • 納得できて
  • かつ人を動かす

説得のイメージをつかむ。イメージが掴めると、努力が結果に結びつきやすくなる。

1-7. リーダーシップ開発 Day7:コーチング(相互支援)

ティーチングとコーチング

コーチングとティーチングの使い分け
ティーチングとコーチングの使い分け
  • 相手の状態をしっかりと把握し、その状況に応じて 「ティーチング」と「コーチング」を使い分ける。
  • 入社直後の新入社員には、まず「ティーチング」で「教える」ことが主になる。スキルレベルの高い社員の場合、「ティーチング」より「コーチング」が有効となる可能性が高い。
  • 上から押し付ける目標設定ではなく、 「コーチング」を使って自発的に目標設定をすることで、社員のモチベーションが高まり、よい結果を出すことにつながる。
  • 「ティーチング」で「教える」時にも、「傾聴」したり、「質問」を効果的に投げかけることで、相手がより主体的に学ぶようなコミュニケーションが有効。

コーチングの効果

  • 自分が本来やりたいことが見えてきました!
  • 言葉にすることで自分の中で明確になりました!
  • 別の視点で問いかけられて新しい気付きがありました!
  • 頭の中が整理されました!
  • 人に認めてもらってエネルギーがわいてきました!
  • 1歩踏み出す勇気が出ました!
  • 目標に向けてどんどん行動したくなりました!

コーチングのスキル

傾聴のスキル

  • レベル1:内的傾聴
  • レベル2:集中的傾聴(ハードフォーカス)
  • レベル3:全方位的傾聴(ソフトフォーカス)

コーチング実践編「これから発揮したいリーダーシップ」

コーチング実践編「これから発揮したいリーダーシップ」
コーチングの流れ

1-8. リーダーシップ開発 Day8:振り返り・まとめ(コーチング)

「コーチング」を使って、お互いの将来のビジョンを描く

コーチングとリーダーシップ行動最小3要素

  • 目標設定・共有:1人1人の目標を明確にする
  • 率先垂範:リーダーシップ行動を促進する
  • 相互支援:お互いに支援し合う

コーチング:「ヒーローインタビュー」

  • ヒーロー役:1年~5年後くらいの未来で、その時になりたい自分になっているところイメージする。
  • インタビュー役:ヒーロー役が設定した未来を前提にインタビューする。

コーチング:「セルフコーチング」

自分の中に、もう一人のコーチを持つ。自分自身に問いかけ(セルフトーク)。自ら内なる答えを探す → メタ認知

セルフコーチングのポイント

ネガティブなセルフトークをポジティブな

セルフコーチングにする:ネガポジ反転

  • ×  質問の形をした詰問、自己否定
  • ◎ 未来志向の行動につながる建設的な質問
コーチングでリーダーシップ開発を振り返る
コーチングでリーダーシップ開発を振り返る

2.リーダーシップ開発担当教員

リーダーシップ開発プログラム開発担当メッセージ(高橋俊之)

リーダーシップ開発プログラム開発担当(高橋俊之)
高橋 俊之(たかはし としゆき)

リーダーシップ開発プログラム(LDP)の開発を担当している高橋俊之です。2019年度から開発に参画し、220年度は開発を主導していきます。これまでは11年間、立教大学経営学部のビジネス・リーダーシップ・プログラムでコースリーダーを務めていました。

早稲田大学リーダーシップ開発プログラムの特徴は、

  • これからの時代の主流と言われる「全員発揮のリーダーシップ」を
  • 理論による裏付けの元に
  • 実践で学ぶプログラム

であるということです。

「全員発揮のリーダーシップ」を学ぶことは、リーダーを志向する人にとっては、いかに人を巻き込み、活かすか、を学ぶ意味があります。リーダー志向ではない人にとっては、いかに自分を活かし「いて欲しい人」になるか、を学ぶ意味があります。

理論の裏付けの元に、というのは精神論に終わらない、ということです。リーダーシップやリーダーシップ開発の研究により明らかにされている知見に基づいて授業が組み立てられています。論理思考とコーチングを重点的に学ぶのもそのためで、これらがリーダーシップの発揮に大きく影響することに基づいています。

そしてリーダーシップはスポーツや楽器演奏と同様に、実践があってこそ進歩します。しかし、闇雲に実践しても挫折したり効率が悪くなりかねません。それをLDPでは、早稲田生の傾向を踏まえ、かつ個人個人に合わせて、ステップ・バイ・ステップで学んでいきます。

授業は正直、「楽勝科目」ではないでしょう。しかし、おもいきって取り組むほど、のめりこめる科目になることは保証できます。クラスを一緒に作ることをおもしろがってくれる人の参加を楽しみにしています。

早稲田大学グローバルエデュケーションセンターリーダーシップ開発プログラム 副統括責任者 高橋俊之


3.リーダーシップ開発 受講者の声

人間科学部Aさん(2018年秋リーダーシップ開発受講)

ーなぜ「リーダーシップ開発」を受講しようと思ったのですか?

最初にリーダーシップ開発を知ったのは、学部の授業で過去に受講した先輩が紹介していた時です。その先輩が、パワポを使って人前で堂々と話す姿に憧れ、私もこの授業をとればその姿に少しでも近づけるかもと思いました。
そして、科目登録期間にWEBシラバス検索をしてみたところ、「権限がなくてもリーダーシップは発揮できる」という内容に感心し受講を決めました。

ー「リーダーシップ開発」はどんなクラスでしたか?

一番驚いたのは、ティーチングアシスタントの学生(TA)がファシリテーターとなり授業を進行していた点です。今考えると、ここで「権限のないリーダーシップ」が体現されていたと思います。
グループワークが中心の授業です。しかし、学生TA、教員、受講生みんなで授業を作っていく雰囲気が出来ているので、安心して参加できました。
授業には、論理思考やコーチングなど実生活でも使える内容が多く組み込まれいました。また、お互いのフィードバックの機会も設けられているので自分の成長が実感しやすかったです。

ー受講してみての感想を教えてください。

リーダーシップ開発での一番の収穫は、自分の強みを活かした組織内での働き方が分かったことです。
授業を通して私は、話し合いの中で出た意見をまとめること、状況を俯瞰してみることが得意だと気づきました。強みの自覚と、授業で培った言語化能力、傾聴力が大学生活に活きていると感じます。また、様々な学年、学部の学生が集まる授業なので、新たなコミュニティも出来ます。興味を持ったら受講してみることをオススメします。

人間科学部Bさん(2018年秋リーダーシップ開発受講)

ーなぜ「リーダーシップ開発」を受講しようと思ったのですか?

人間科学部の必修授業での先輩が行ったクラス紹介プレゼンに惹かれました。自分もこのようなプレゼンスキルを身に付けたいと思い受講しました。
授業が5,6限だったので、所キャンで授業を受けた後に本キャンに行けることも受講する上で重視しました。

リーダーシップ開発」はどんなクラスでしたか?

企業の方が来て直接アドバイスを頂けることが大きなメリットだと思います。社会人と接する機会は1,2年生にはあまりないと思うので、この授業で社会人の言葉を直接聞けることは貴重な機会でした。

ー受講してみての感想を教えてください。

エニアグラムをはじめ、自己分析の手段が沢山あるので、自分の強みや他者との関わり方がわかりました。
私の所属コミュニティは比較的人数が少ないので、この授業で出会った人と仲良くなれたのも大きな収穫でした。


◆早稲田大学WEBサイト情報

早稲田大学WEBシラバス

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早稲田大学グローバルエデュケーションセンターWEBサイト

「早稲田大学グローバルエデュケーションセンター リーダーシップ開発科目案内」