話したことなかったのに最初から心理的安全性高いって、なんで?|早稲田大学リーダーシップ開発

話したことなかったのに最初から心理的安全性高いって、なんで?

上の言葉は、ちょうど先日、「リーダーシップ開発:授業外への適用」の授業内(ちょっと分かりにくいですね笑)で、ある学生二人の会話に出てきたものです。

心理的安全性を高めるのに自己開示が必須って本当?

そのうちの片方は、心理的安全性の高い状態を自分のゼミ内で作ろうとしていて「このためには自己開示が必要じゃない?」と考えていて、その作戦を話しつつありました。

ところが彼、その途中で「あれ?」と疑問に思ったとか。というのも、今、話している相手について、存在は知っていたものの、その日まで会話をしたことがなかったとか(=自己開示ゼロ)。でも、今いきなり深い話をしても大丈夫だと感じて話しているというのは、いったいどういうことなんだろう?と思ったそう。

この気付きは素晴らしい学びにつながりそうだな!と思っています。

まず、自分の仮説では説明がつかない現象にちゃんと気がついたこと。そして、そこにある仕組みを考えようとしていること。これで彼がその答えを見つけ出したら、日常の中からどんどん学んで行くイメージをつかんで学びが加速しそうです。

何かを実現するために必要な要素を見極める

それと、実はしばらく前に「リーダーシップ開発:理論とスキル」の運営チームの中で似た話をしていました。

ある先生は、Day1の授業で心理的安全性を高めようと、自分自身も全受講生もしっかり自己紹介をするようにしていたのですが、それだと時間オーバーになってしまうという問題がありました。

そこでDay1開発担当のCA(Course Assistant)が「それをしなくても心理的安全性が作れる授業設計にしているので、その時間は削りましょう」と言い出しました。その先生からは「かなり高度なことを受講生に求めるわけですね」と返ってきましたが、僕も含めて開発チームからは「大丈夫。行けます」と返して、それで行くことになりました。

もちろん自己開示はゼロではないのですが、他の要素を入れることで、必要なレベルの心理的安全性は作れるということです。前述の彼にはそれが何なのかズバリは話さず、このエピソードだけヒントとして伝えました。

写真は、クラスビジョンを実現するために必要な要素を考える、理論とスキルの受講生たち。この「何かを実現するために必要な『要素』」を見極める力は、リーダーシップ発揮に非常に重要と考えています。

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(文責:早稲田大学 グローバルエデュケーションセンター(GEC) リーダーシップ開発プログラム 副統括責任者 高橋俊之)