自分史上最高のクラスになったわけ

自分史上最高のクラスになったわけ|早稲田リーダーシップ開発

冬学期の早稲田LDP、問題解決プロジェクトの授業が終了しました。ラスト2回はオンラインになってしまったのがちょっと残念でしたが、重要な点で自分史上最高の学期になったように思いました。

最終回で感じた受講生の「本気」

重要な点とは、とても多くの受講生が、「お茶を濁す」「とりあえず片付ける」のではなく、かなり本気でプロジェクトにも他の授業時間内外の課題にも取り組んでいたことです(正確には「そう見えた」ということですが)。

自分でやると決めたことでも、つい「とりあえず片付ける」レベルでこなしてしまうのは自分も含めて大人でもよくあります。でも、受講生達は授業で見ていても本当に最後までしっかり取り組んでいるなあというのは、最終回の相互フィードバックでもリーダーシップ宣言でも感じました。このあたり本当に雑談とかお茶にごしフィードバックや、「とりあえず言っときます」宣言になりやすいのに、真摯なフィードバックや、今期の収穫を踏まえた次なる挑戦の話になっていました。

つまり、課題内容で見れば何も変わったことはないけど、「どこまでやるか」「どういうたたずまいでやるか」がすごく良かった、ということですね。

目標共有、連携、そして蓄積

どうしてそうできたのか考えた時、運営陣の中での目標共有、連携、そして蓄積の三つのことからの成果じゃないかなと思っています。

目標共有については、「生涯学習者を育てる」「リーダーシップをちゃんと開発する」などはもちろんのこと、今回キーワードになった「マイノリティ」に焦点を当てて行くことなど含めて、先生方、TACAはじめ運営の全員が目標を共有できていたことは、いろいろそれぞれのやり方は合ってもそれは伝え方の特徴であって、本質的なところではぶれないし受講生にとって分かりやすい結果になったのだろうと思います。

目標共有とともに良かったと思うのは連携です。開発側がいろいろ欲張って(しかし一貫した意図を持って)作った教材を、TAたちは細部までその「意図」を理解しようと努力し、授業運営してくれていました。冒頭の写真はあるTAが授業内に拡げていたティーチングノートで、開発側の意図を自分の表現に落とし込んでいるものです。

一方、先生方は、重要なところで経験等も踏まえたレクチャーを分かりやすくしてくださっていたのですが、とりわけ大きかったのがワークの最初や介入において「これはこういう意義があるから、こういうふうにやって欲しい」とイメージが湧くように話してくださっていたことだったと思います。

またこのような「生きた」連携はクライアント企業のみなさまとも起きました。当初参加予定ではなかった最終回にも来られたいとおっしゃって、熱のこもったお話をされていたのは、クライアント連携を担当してくださったイノベスト社のみなさんの橋渡し力も大きかったと思います。

ただ、上記のようなことはこれまでも意識していたことで、それが過去最高の成果につながったのは、蓄積の力かな、と思っています。早稲田に来て2年経とうとしていますが、半期で1周するので2年で4周しています。先生方とはその中で何度もお話して共通理解を積み上げてきたのだと思います。

一方、TACAという学生スタッフはその役割は一度しか担当しません。またTAは自身の入り口科目受講後に半年、OD(他者のリーダーシップ開発)という科目を学んでおり、その間にカリキュラムは改良されて自分の受講時からは変化してしまっているのですが、そこで戸惑うことなくすっと蓄積の頂点に乗っかった上でODの成果も活かしてさらに積み上げているのに感心します。そして翌期はCAとなって、TAの経験を活かした開発をやってくれているのも、蓄積に繋がっているのではないかなと思っています。

さて、来期はまたクラスを増設してもらって、さらなる自分史上最高に挑戦していきたいと思います。そんなエネルギーももらった最終回でした。

(早稲田大学グローバルエデュケーションセンター 高橋俊之)