先週末は、パフォーマンス・レバレッジの田鍋安弘さん、岩佐美由紀さんと、若手向けのキャリアデザイン&思考のワークショップをやっていました。今回はDay3(参加者によってはDay4)にあたり、これまで蒔いてきた種の芽が出てけっこう育ってきた印象を受けました。
意図を持って動き、解像度を上げる
実は前回までは、みんないろいろ良いものを持っているのに、日本の仕事環境に影響されてか、小さくまとまってしまったり自分のやりたいことが分からなくなってしまったりしていて、すごく悲しいというか、日本の若手の働く環境でそんななのかと憤りに近いものを感じていました。
しかし今回は、仮にそういう仕事環境であってもやれることはけっこうある、という手応えを感じました。
まず大きかったのは、みんなが前回からいろいろアクションを取っていたことです。これ、当たり前のように見えて意外と難しいことなので、良かったと思いました。希望の部署に異動して動き始めていたり、転職したり、家族ビジョンを相手と話したり(キャリアを考える上でも重要な要素だった)、社内外でネットワーキング始めたり、テーマを持って仕事に取り組んでみたり。
意図を持って動いてみると、やはりいろいろ見えてきたよう。やりたいことも、力を入れるべきことも、以前は抽象的だったのが解像度が上がってきました。この「解像度を上げる」ことはとても重要で、ざっくりしていた頃は「必要そうだからやる」感じだったのが「これやりたい!」とか「ここに力を入れると進んでいる感がすごくある!」みたいな感じに変わって来ているのが分かります。
「役割を考える」「既存の枠を取り払う」「自分の癖を知る」
この感覚を踏まえて今回、考えてもらったのが、「役割」についてです。役割というと最初は「マーケティングコンサルタント」とか名刺のタイトルになっていたのですが、「それってどんな役割を果たしているのか? 三つ上げると?」とか「特にあなたが強いのは何?」と考えてもらうと、例えば「人と人をつないで新しいビジネスを加速すること」というように、その人ならではの価値や強みが見えて来ます。
さらに、「既存の枠を取っ払って考えてみよう」とやってみると、例えば「人と人がちゃんと話せるようにすることが自分のやりたいことかも」といったことが、今の業界・職種を超えて出て来たりして、新しい軸として機能し始めます。
もう一つやっていたのが、各自の思考や行動の癖を確認することでした。「既存の枠の中で100点から減点が少ないように考える傾向があるようだけど、目的にどれだけ近づくか(現状から加点するか)を考え始めると良いかも?」とか、「こうしたい、ということは実はけっこうしっかり持っているけど、ざっくりし過ぎる言葉でまとめてしまって、その後その言葉に囚われて本当にやりたいことからズレているかも?」といったことを、受講者間でフィードバックし合ったり、僕らからフィードバックしていました。これにはけっこう価値を感じてもらえたようで、また次回までどんな変化が起きるか、楽しみになりました。
(文責:早稲田大学 グローバルエデュケーションセンター(GEC) リーダーシップ開発プログラム 副統括責任者 高橋俊之)