懇親と言えば飲み会が社会人の定番だけど
前回の記事で、「冒険する町内会」への第一歩を考えてやってみた、と書きました。今回はその話です。
なお「冒険する町内会」は、安斎勇樹さんが提唱する「冒険する組織」 – 「一人ひとりのメンバーが好奇心や関心にもとづいて自己実現を探究しつつ、チームとしての社会的ミッションも追いかける組織」から来ています。冒険する町内会ってどんな感じなのかは前回の記事をごらんください。
懇親と言えば飲み会が社会人の定番だけど
前回の記事で、「冒険する町内会」への第一歩を考えてやってみた、と書きました。今回はその話です。
なお「冒険する町内会」は、安斎勇樹さんが提唱する「冒険する組織」 – 「一人ひとりのメンバーが好奇心や関心にもとづいて自己実現を探究しつつ、チームとしての社会的ミッションも追いかける組織」から来ています。冒険する町内会ってどんな感じなのかは前回の記事をごらんください。
(前回の記事)目指すは冒険する町内会?
場は、就任して最初の定例会。役員と班長さんたちを合わせた二十数名が週末の夜に1時間ほど集まります。で、軍事的組織のように堅苦しくなく「冒険」的になっていくための第一歩としては、やはり「お互い打ち解けるのが大事だよね」と考えました。
そうすると学生でも社会人でも「じゃあ、ごはん食べに行こう」「飲みに行こう」というのが一番に上がってくると思いますが、我々の場合は予算もないし休みの日の夜をそんなに時間を潰したくないし、というので実はけっこうハードルが高いのです。むしろ、一緒にごはん食べたり飲んだりしたくなるような状態にまず持って行くことが必要です。
「嘘つき自己紹介」でアイスブレイク
「じゃあどうする?」と考えてやることにしたのが「アイスブレイク」。まさに打ち解けるためのアクティビティです。リーダーシップ開発とかチームづくりとかやっている仕事柄、アイスブレイクはいろいろ知っています。ただ、この話を相談したある町内会役員さんに言われたのは「こういうアクティビティに慣れていない人が多いのが難しいところですよねえ」ということです。確かにそこは考えないとな、と思いつつ最終的に選んだのは、「嘘つき自己紹介」でした。
自己紹介は一般的ですし項目も出してあるので、そんなにハードルは高くありません。でもこの自己紹介が普通とちょっと違うのは、内容に一つだけ嘘があるということ。そしてその嘘をみんなで見破ります。

嘘つき自己紹介が良いのはただ自己紹介をする時よりもみんな熱心に聞くこと。普通の自己紹介だと関心のあるところ以外は適当に聞いていたりしませんか?笑 自分が何を話すか考えているとか。
またもう一つ良いのはインタラクティブになること。どれが嘘か言ってみて、「いやこれ、ホントなんですよ」とか、すぐには正解を言わずに「なるほどね、ほかのみなさんはどう思います?」とか。
「冒険する町内会」に向かうようにチューニング
それと、「冒険する町内会」に向かうように細部を工夫してみました。たとえば「嘘つき自己紹介」はあえて会議の終了後に置いて「残ってもよいよ」という人たちだけで30分だけやることにしました。これが冒険する組織と対比される「軍事的組織」ならば「全員参加」にするところです。もっとも「この人はきっと町内会の活動は最小限にしたいのだろうなあ」と僕が思っていた人も含めてみなさん残ってくださったのですが(実際には二十数名で一度にやるのは難しいので、今回は十名の役員限定でやりました)。
そして「冒険」は「一歩踏み出す」ことから始まります。そういう意図を持って「苦手/ヘルプ希望」という項目を作っていました。そういうちょっとネガティブな面を自己開示しておくのも踏み出すことになるんじゃないかということです。一方で「特技・詳しいこと」という項目も控えめな日本人にとって書くことは一歩踏み出すことになるかも、と思っていました。
実際にやってみたら、みなさんけっこういろいろ書いてくださったり見破りにくい(その人っぽく見える)嘘を入れてくださったり、見破る方も「じゃ、これ!」といろんな人が言ってくださったり、なかなか良い感じでやれました。後で「ふわっと笑顔やあたたかい空気が生まれ、いい時間でした」とメッセージをくださった方もいました。
今回は仕事の頻度が高い役員さん十余名に限定しておこなったのですが、良い雰囲気ができたので班長さんたちにも輪は広げて行けるように思いますし、班長さんたちも含めた交流も別のテーマでできたらと思っています。
ちなみに僕の嘘は「習字」でした。字がうまくないのでばれるかなと思いましたが、意外とすぐにはばれませんでした。笑
「冒険する町内会」雰囲気作りは他にも
実は「冒険する町内会」の雰囲気作りは会議中にもいろいろ仕込んでいました。が、長くなってしまうので、今回はこのくらいで。また、少しずつ町内会長の他の仕事も動き出していて、おもしろくも「こんなにあるんだ」とちょっと驚くところも。これらについても次回以降、書いてみたいと思います。
モメンタム・デザイン代表 高橋俊之(たかはし としゆき)