先日、中3次男の校内合唱コンクールを聴きに行って来ました。
良かったです。
上手だったのか?と言われると、聴力低下の影響で僕の耳はポンコツになっていることもありなんとも言えません。でもたぶん、感動するほど上手だったわけではなかったと思います。
でも良かったのは、自分の頭で考え、仲間とコラボし、やっていることをみんなで楽しむ、という点でした。僕はこちらの方が歌唱のレベルよりも大事だと思います。
「競争なし」の合唱コンクールになった理由
なお前提情報を上げておくと、学校は生徒の主体性を実践を通じて育もうと数年前から頑張っていて、行事の立て付け決めから運営まで、かなり生徒主体でおこなわれています。
まずおもしろかったのが、上に「合唱コンクール」と書きましたがそれは去年までで、今年は「競争も賞もありません」となっていたこと。
これも生徒主体で決めたのか先生から提示されたのかは聞きそびれましたが、少なくとも「なぜそうするのか?」を説明していたのは生徒たちでした。それも先生に添削された原稿を読んでいるのではなく、これまで積み上げてきたことに照らして自分なりに考えた意図や目的を説明していました(「目的を大事にする」というのが何回か出て来て、一時期先生方とこの話をしていた僕としても勝手にうれしくなりました)。
生徒たちの説明によれば、勝負にこだわると競争相手と協力しなくなってしまうし、そもそも合唱をやっている目的も忘れかねない、競争がなくともより良い音楽を目指して頑張れるはずだしその時他のクラスやチームとも協力したい、ということでした。
縦のつながりの強化も狙う
そうやっていらなくなった採点とか表彰の時間を使って、今年は初めて、学年をまたいで縦につなげたチーム(学校では「カラー」と呼んでいます)での歌唱がおこなわれました。各学年を2つに分けてそれを縦に繋げた2チームです。練習の時間はそんなに取れなかったはずですが、体育祭とつなげる(=同じチームにする)ことで、チームビルディングをカバーしていたよう。冒頭の「響宴」とは体育祭とつながっているよ、という意味を持っていたとか。
そういう意味づけとか、それぞれの曲を選んだ理由とか、練習の過程でどうだったとかのストーリーを語る担当の生徒が必ずいて、そこから合唱に入っていっていたのは、大事なことだったんじゃないかな、と思います。きっと合唱が嫌いな子も、苦手な子もいると思います。でも合唱の様子から、それぞれ参加している、そこにいる、印象を受けました。当日だけじゃなく、練習でもだんだんそういう人が増えて行ったんじゃないかな。
先生と一緒に楽しむ場に
次男はというと、歌うのは大好きなので、クラス、学年、カラーと三回の出番を思い切り楽しんでいました。午前中のリハからあったので「疲れた」と言っていましたが、練習含めて主体的に人と関わる良い経験になったんじゃないかな、という印象です。
最後は先生方による合唱とダンスで、先生方が出て来るところから大喝采でした。この「一緒にやる」「一緒に楽しむ」感がいいな、と思います。うちは次男を最後に卒業ですが、ぜひこれからも続けていって欲しいな、と思います。
モメンタム・デザイン代表 高橋俊之(たかはし としゆき)